オーディオと映像生活 パート11


大晦日の夜は一人でスタジオにいて、例のごとくお釜でご飯を炊き、戯れる会の人が送ってくれた若狭湾の小鯛(樽に入っているやつ)と海苔でおいしくいただいた。

もう音楽はききたくなかったので、大晦日ぐらいTVかなと思って、大画面で格闘技を見ると、リアルすぎてちょっと気分が悪くなった。巨大な画面も良し悪しだ。格闘技と言っても、相撲や国際式ボクシングはスマートな方なんだなと再確認した。それから、歩いて家まで帰った。文京区や荒川区には神社が多いので、アチコチから除夜の鐘やおはやしがきこえてきて、初詣のために道を歩く人も多かった。

正月ぐらいはオーディオいじりも休んで、駅伝を見たり、神田明神に行って商売繁盛のお札をもらってくることにしている。上の写真はアイワン用の電源強化大容量コンデンサーだが、その効果を十分に得るにはこの4倍ぐらいの量が必要かも知れない。写真のウソで手前が大きく写っているが、じっさいにはアイワンの大きさよりちょっと大きい程度かな。  2006.1.3

今まで使ってきたデジタルカメラの中では、EOS 20Dがもっとも使いやすい。元々最高級機種ではないし、発売後一年以上過ぎているから性能的なアドバンテージはないのだが、バランスの良いカメラでほとんど不満がなく、使っていてストレスを感じない。EOS 1Dsは独特の操作が僕には合わず、使う度に誤操作をしていたので、今年はそろそろ新しいボディの最高級機種が出てくれないかなと期待している。 

それと、あまり無理をしていないコンパクトデジカメがあればなあと思う。デジタルカメラという物が最終的にどんなカタチで落ち着くのかはまだわからないが、一眼レフは近い将来全部フルサイズになるのかも知れず、そうなればリコーGR1的なデジカメもフルサイズで出てくるのかも知れない。でも、今の僕としては2/3サイズ程度の画質でいいから、普通の、35mm換算30mm-135mmぐらいのズームレンズがついていて(無理して28mmにしなくていいし、望遠側も105mm程度でもOK)、そこそこの接写がこなせるコンパクト機があればなあと思う。いくら良いカメラがあったところで、カメラが撮ってくれるわけじゃないから、ある程度の性能が確保できれば、あとは撮る人のセンスの問題だと思う。

今日は、音楽でもききながらスタジオの中を整理するつもり。去年はいくつか新しいことを始めたため、物(食器)が増えたので、それらを取り出しやすくしまえる場所をつくらなければならない。 2006.1.4 

Rogersの半透明ウーハーはポリプロピレン製で、見た目はヤワだが実はけっこう重たい音だ。上の写真のコンデンサーが入っているケースは段ボールのケースより硬く重いでしょ? ところが、アイソバリックはもっともっと重量感のある低音で、中域は濃くてこんもりしている。同じソフトを続けてきき比べるとかなり違う音なのだが、トータルの音調としては似た世界なので、どっちが鳴っているのかわからない場合も多くある。

戯れる会例会で、参加者持参のソフトをこの二つのスピーカーで再生すると、あっちが良かったりこっちが良かったり、なかなか面白い。1月9日は今のところ参加者が少ないので、一般参加OKにしようかと思っているので、そこらへんを確かめたい方は申し込んで下さい。第一部と第二部があり、どちらも有料です。第一部では巨大コンデンサー追加による効果のブラインドテストの続編あり、これがけっこう意見が割れて自分一人じゃ判断つかないって感じで、オーディオは楽しいなあと思う。 2006.1.5

一昨日WOWOWでやっていた韓国の映画、「オールドボーイ」はなかなか強烈だった。「レザボア・ドッグス」と同じぐらいの刺激だと思うのだが、アジアの顔で、だけど、ハングルはまるでわからないという、不思議な感覚だった。流行の韓国ドラマってほとんど見たことがないから、僕はこういう感じに全然慣れていないのだった。合間合間の瞬間や音楽がちょっとユーモラスなところがホッとすると言うか、すごく良いバランスで、かなり無茶苦茶な内容なんだけど、「多分、そうひどい結末にはならない」という安心感が最初からただよっていた。そういう点で「イン・ザ・カット」と「オールドボーイ」なら僕は後者を好む。韓国の映画もすごい。ただ、カメラマニアで、バルセロナチェアが好きで、しかもB&Oが置いてあったのがちょっとねって感じかな。

こう寒いとウーハーの動きも悪くなるんじゃないかと思ってしまう。やっぱり、夏の室温40度、湿度75%みたいな中でCDに加えて、LPもSACDもマルチもモノもDVDもとガンガン鳴らし、また冬が来てそしてまた夏が来るというようなことを繰り返すことによってスピーカーは育つ。それは色々な機器を接続することによってもだし、幅広いジャンルのソフトによっても育てられるのだろう。   

     

CD2枚きいてみて、僕はこの円筒形も気に入った。Studio1aもいいけど、こちらもなかなか良い。これはRogers社を去った、ジム・ロジャースが作ったJR150というものです。   2006.1.6 

今日の夕方から夜は、何ヶ月か前からやり始めた料理の集まりがあるので、散乱しているオーディオ関係の機器やソフトや調整に使ったものなどを片づけて、掃除をしなければならない。僕は料理も好きで、スタジオをつくる前から写真と料理とオーディオが大好きだった。例えば、モノクロームのプリントがうまく出来なかった頃、あれこれ試したり本を読んだり、どうやったらスムーズに自分の求めるプリントが得られるのかを考えたり、データをとったりを繰り返したものだが、料理やオーディオはとてもよく共通する。

戯れる会=オーディオも料理の会も、もちろん写真も、僕としては長期間すごくマジメに楽しみながら追求しているところがよく似ている。僕としては同じようなことをやっているのだが、たまたま写真は仕事になりやすく、料理はもっと日常的だから主婦(夫)だってプロみたいなものだけど、オーディオはなにしろプロってものがほとんど存在しない世界だった。

で、誰かに食べてもらった方が断然向上するのはオーディオと同じだ。「もうちょっと香辛料入れてもOK」とか、「おいしいけどちょっとやりすぎ」とか、「じゃあ次はもっとこうしてみるね」なんてことも気楽に言える。店に対しては、プライドもあるだろうし、そうそう味に文句も言えないから「気に入らなければもう行かないし、気に入れば人にもすすめる」わけだ。オーディオは音が悪いなんて言うと「全人格の否定」的になりがちで、素人のくせに(プロが存在しないのだから僕もあなたもみんな素人)意識だけはプロみたいなオーディオ好きが多いので、料理とは別のところで神経を使う。仕事で依頼された写真は、依頼者の期待に応えるのが一番だし、作品としての写真は自分の興味や表現として写真展をやったりネット上で発表したりってことになるのだが、サントリーホールを満杯にするレコードコンサートなんてないわけだから、オーディオはそういう点でもすごく限定された世界だ。

さあ、来月は何を作って食べようかなと、メンバーで話し合っている。   2006.1.7

上の写真のスピーカー、JR150は左右とも故障し、まともな音出しまで何ヶ月もかかった。最初に片方の音が出なくなり、修理が上がってきたところでもう片方も故障という不運さで、この度やっと音をきくことが出来た。JR150はLS3/5Aと同じスピーカーユニットで、ウーハーは二つ付いてる。シングルウーハーのJR149は日本でも売られたそうだが、150の方は入っていなかったようだ。仮に入っていたとしても、国産のスピーカーと比較してかなり割高だっただろうし、ほとんど売れなかったことだろう。

149も150もアルミ円筒形エンクロージュアで、密閉型だから、YGアコースティックス アナットリファレンスのような音がする? そうそう、JR150は、朝日美穂のCDをつくっている高橋健太郎さんが使っている。しかも彼はLEAKのアンプで鳴らしているはずだ。

今日は新年第一回目の戯れる会例会だけど、ちょっと参加人数が少ないから、こういう時はお茶でも飲みながらゆるゆるやる。JR150とStudio1aのききくらべってのもかなり面白い。音質は似ているんだけど直接比較すると随分違う。アイソバリックとも違うので、人間の感覚を知る上でも大変興味深い。 2006.1.9

この三連休はずっとスタジオに人が来ていたので、さすがに昨夜の11時頃は疲れていた。

昨日の戯れる会例会も、いくつかの実験や試聴をした。それぞれに効果や好みがあり、適度にブラインドテストも含めているので、すごく面白かった。こればっかりは参加者にしかわからないので、言葉では説明のしようがない。意見が一致するものもあれば、バラけるものもあって、それぞれになるほどと思う。

昨日はSACDマルチも何曲かきいたのだが、その中で個人的に一番思い入れが強かったのはダイアーストレイツだった。1985年の発売だからBeckやビヨークみたいにSACDマルチのための録音をしたわけじゃないし、LPでもさんざんきいてきたのだが、これなら楽しめるかなという自然なマルチに仕上がっている。

 

意外に早かったIntelのCPU入りiMacとMacBookPro。新型ノートはスピードが4〜5倍だって? ホントかなあ? MacBookProってどうも言いにくい。僕はスピードはG4程度で良いから、もっと軽いタイプが欲しい。光学ドライブは不要、15インチで1.5kg以下の物を出して欲しい。

今日はロバート・ワイアットのCDを3枚ほど連続でかけた。アイソバリックできくロバート・ワイアットの声ってのも味があってなかなか良い。  2006.1.11

 RogersのプリメインアンプA-100 山水ではない

これも借り物だが、ここ数日アイソバリックを鳴らしてみると音は大変良いので、アイソバリックはRogersできいていようかなと思っている

トランジスタなので、電源は入れっぱなし、いつでもきけることもあって、このアンプにしてからアイソバリックの稼働率は確実に上がった

200V仕様、すごいBカーブのボリュームで、左下の一番大きいのがボリュームのつまみだが、能率の低いアイソバリックでも写真の通り8時半ぐらいで限界、9時を越えることはまずない

コンビニで売ってるやつはもちろん、ケーキ屋で売ってるものにしても、味に不満を感じて、昨日は自分でプリンを作った。バニラビーンズを入れて、砂糖と玉子と牛乳を混ぜて、オーブンで蒸し焼きにする普通のプリンだ。出来上がったプリンは、とても新鮮でしかも濃い味だった。

僕が焼いたプリンの試食をしていると電話が鳴り、JR仙人がやって来ると言う。JR仙人はJR中央線で御茶の水にやってくる?

JR仙人に、コーヒーとプリンを献上する。一口目で仙人様から「これはうまい」というお褒めの言葉を頂戴した。僕は作るところからやっているので、指にはバニラビーンズの強烈なにおいがついているし、煙を立てながらカラメルを作ったりもしているので、少し感覚がずれてしまっていて正確な判断が出来ない。このあたりはオーディオも共通している。客観的立場、あるいは先入観を持たない誰かに味見をお願いしたり、きいてもらうのは良いことだ。

Rogersのプリメインアンプで鳴らすアイソバリックをきき、「これも良い」との感想をもらい、僕の心は平和とやる気であふれた。今回やってきた仙人は誉めて育てるタイプらしい。

そして、JR150だ。Studio1aとJR150を入れ替えて、ブレンデルがピアノを弾くシューベルトの「鱒」をかけてみた。スッキリして良い音だけど「鱒」としては低音がもの足らず、サブウーハーをつけてもそれは変わらない。これがStudio1aだとバッチリOKなのだ。

「試しにJR150を床に直置きにしてもらえないだろうか」
「鱒」の第一楽章をほとんどきいたあたりで仙人が言った。
「いいですよ」

JR150をブックシェルフと考えるかフロア型と考えるかは難しいところだが、トールボーイとは考えにくいので、スタンドを使って35cmほど上に上げて使うのは一般的な発想だろうと思う。でも、何事もやってみなければわからない。床に直置きは僕も興味があったので、さっきと同じ「鱒」をきいてみた。

音が出て10秒後、僕がちびまる子ちゃんだったら、顔に縦の線が入っていただろう。

ユニットと床が近くなったので、床の反射音のせいか、あるいは金属製スタンドが(インシュレーターとして)なくなったためか、少し中高域がにじむ感じはするけれど、とにかく圧倒的に低音が出る。「素晴らしい!!」ほんの一分前まで「そろそろJR150の嫁ぎ先も考えなくては」などと思っていたのだが、コロッと忘れ、僕の心は「どこまでいけるかやってみたい」に変化した。

誇らしげに仙人がお帰りになった後、それまで、ちょっと不満だったり、Studio1aの方がいいなあと思うようなソフトをかけてみると、「もちろんStudio1aの方が余裕だけど、JR150でもかなりのところまでせまれるかも知れない」という感触を得た。それで、僕はサブウーハーを外し、JR単体でセッティングをし直してどこまで低音が出るのかを確かめることにした。

何とJR150だけでパイプオルガンの重低音(30Hz以下)が再生されたことに驚きつつ、その上でD.Cubeを再調整して使用することにした。

Studio1aを125ccのレーサーだとすれば、JR150はもっと小型だ、LS3/5Aを50ccだと思えば90ccあるかどうか、せいぜい70ccか80ccにボアアップした程度だろう。その小型レーサーで時速150km/hオーバーの世界を楽しむ、今僕がやっているのは多分こんな遊びだろう。オーディオは楽しい。だって、この床に置いた小さなスピーカーから大画面みたいな音が出る。 2006.1.14

Macで使っているSoundSticksをメインのスピーカー(かつてはKEF105)の内側に置いて、KEFのスピーカーケーブルをSoundSticksに接続して音を出すと、床に置いたSoundSticksから驚くほど高く広い音場が得られる。どうもJR150はそれに近い鳴り方をしているらしい。ポイントは何か? 床直置 密閉式 円筒形 そう言えば最近のAVALONなんか円筒形というより球体に近づけたいのだろうと思う。

ちょっと用があって、Shuks氏がスタジオに来た。僕自身の驚きを共有して欲しいので、JR150で何曲かきいてみていただいた。Shuks氏は、音の出方や低音にとても驚いてくれて、「自分ももちろん参加するから、二月の戯れる会例会でこれをみんなにきかせてあげてくれ」と言うのだけれど、なにしろ人が集まらないことには開催のしようもない。まあ、皆さん多忙だからどうなるのかなと思っている。

実際、今のJR150は、B&Wエンファシスでズズーンと低音が出る蘭子さんのような状態で、我ながら「何なんだろうこれは」と思っている。 2006.1.15

WOWOWで録画した「ソウル・オブ・マン」を見た。ブルースを歌うボニー・レイットを久しぶりに見た。たしか、フィービ・スノウにギターを教えたのがボニー・レイットだった。ブラジルの女性歌手はみんなギターを弾くけど、アメリカの女性歌手はあまりギターを弾かない? とにかくボニー・レイットのファーストアルバムはけっこう衝撃的でしたね。30年ぐらい前の話です。

そして、ハイビジョンで録画してあった「モーターサイクル・ダイアリーズ」もやっと見た。エルネスト・チェ・ゲバラがあの旅行をしたのは僕が生まれた年だ。とにかく映像の美しい映画で、あれは嫉妬をおぼえるぐらいのさりげないというか本格的な美しさだった。

映画の音声(フロント)は、ソニーのAVアンプのプリアウトを10数mのピンケーブルでボリュームを2時ぐらいまで上げたRogersのプリメインアンプに送り、アイソバリックで出している。KEF105、Studio1a、JR150と比較して、アイソバリックだとセリフがよくきこえる。   20061.16

大容量コンデンサーの追加の実験にあたって僕は、「多ければ多いほど良いということで、アンプ1台に大型冷蔵庫一台分ぐらいのコンデンサー追加なんてことになったら、排気量5万ccのクルマみたいになり、オーディオ機器として現実的でなくなる。だから、一応規定を設けて 本体の大きさ程度という枠でやりましょう 」と提案した。それだって、プリ、パワー、CDとコンデンサーを追加してゆけば、機器のボリュームは二倍になりラックも二倍必要になる。

SDサウンドのアイワンには、元々かなり大容量のコンデンサーが使ってあるそうで、アイワン本体ほどのコンデンサーを追加してみたところ、確かに音は変化するが、激変ということはなかった。例えばカートリッジを交換して音が変わるというような変化はみられなかったのだが、色々な人に(もちろんブラインドで)きいてもらうと、何度試しても確実に「コンデンサーありが好ましい。自分ならつける」と答える人が存在した。これは事実だ。ところが、僕自身は「確かに音は変化するが、どっちでも良い」という印象だったので、アイワンにコンデンサーは追加しないことにした。

電源エバンジェリストの伊藤氏は、アイワンのコンデンサーに加えてZYXのフォノイコライザーの電源も試作してくれた。ZYXのフォノイコライザーはスイッチング電源のACアダプタなので、ここをトランス入りの強化電源にすれば音質は好ましい方向に変化すると伊藤氏は主張する。この電源は、昨年12/30の戯れる会に持ち込まれ、1/8の戯れる会でも試聴をした。だから、この年末年始の戯れる会例会はとても濃い内容だったと思う。

ZYXのフォノイコライザーへの強化電源追加は、ブラインドで行う必要がないほど音が変化するので、僕はZYXの中塚氏に「かくかくしかじか」と電話をした。

「あれは、あの電源で音を決めているのだから、そんな勝手なことをやっては困りますよ」
「まあ、そうおっしゃらずに、ものは試しですから(スピーカー床に直置きでアッと驚いたりもするんだし、とは言わなかったけど)、送りますので、試聴してみていただけませんか? もしすごく良ければ、オプションとして製品化ということも考えられますし、気に入らなければ返していただければ終わりですから」

というようなことで、伊藤氏製作の電源セットをZYXに発送した。中塚氏がこの音を気に入るかどうかはわからないが、もし将来ZYXのフォノイコライザーにオプションの電源BOXが加わったら、それは今回のことがキッカケかも知れないと考えてください。

鹿野啓一さんから、岡崎宅の感想文が届いたので、アップロードしました。 2006.1.18

まあそういうわけで、僕はアイソバリックとJR150という二つのスピーカーで音楽を楽しむ生活になった。四輪車に例えれば、アイソバリックはやはり古いジャガー、JRはレーシングカート、こんな感じだ。朝、スタジオに来てあれこれ用事をしながらきくのはアイソバリックだ(これはアンプのスイッチが入れっぱなしだから)、そしてある時間帯になってから「よし、今日はこのソフトをきいてみようか」と思いながらマランツ7とアイワンのスイッチを入れてJRできくようになった。

JRとは正反対で、アイソバリックは上下左右、大画面的な広がり方はせず、前に音が出てくるタイプなので、モノラル再生向きかなと思って試してみているのだが、これがいまひとつシックリしない。CG25Dだとやけに古くさくなるし、音のエジソンだと妙にギラギラして(アンシャープマスク過多みたいな感じ)、こういう場合は条件を変えつつ二〜三年かけ続けるしかないと思っている。こう考えるとKEF105は1台で色々なものを上手くこなしてくれていたんだなと思うが、やはり時間がかかっている。スキルも少しはアップしているけれど、時間というか反復練習というか、ギターだってピアノだって、同じフレーズを1000回繰り返せば身体が覚えるが、スピーカーもきっとしつこく信号を入れてやるとユニットやエンクロージュアが歌わせかたを覚えるのだろう。  2006.1.19

昨夜遅く、久しぶりにASTREEのLPでサバールのヴィオールをきいた。JR150+ガラード401+DV507+トーレンスMCH2これをトランスを介してマランツ7のフォノに入れてきくと、なかなか凄みのある音で、とても良かった。やっぱりASTREEのLPってJAZZのオリジナル盤並みに良い。

今、ZYXのフォノイコライザーは送り返してしまって無いから、マランツ7のフォノでしかきけないのだが、ここ数日こちらの音は大変良い。どうもZYXのフォノイコライザーがマランツ7の上に乗っているとマランツ7のフォノは音質が劣化するようだ。今度ZYXのフォノイコライザーが戻ってきたら、マランツ7とは離して置こうと思う。 

コニカミノルタがデジタルカメラから撤退。デジタル表示になってからの露出計を3台買っただけで、僕はミノルタのカメラを使ったことがないのだが、ひきつぐソニー頑張って欲しい。キヤノンには期待しているけど、カメラ業界のマイクロソフト化するのはいだだけない。露出計と言えば、この数年露出計を使わなくなった。もう不要かというとそうでもなく、一番最近使ったのは割と大きなサイズの絵画を複写した時で、こういう時は露出計が絶対に必要だ。    2006.1.20

忙しくて試すことが出来ないでいるが、そろそろJR150でSACDマルチをきいてみようかなと思っている。2chでものすごく広がり感のある状態だから、多分マルチには向いているはずだ。

とは思うのだが、ガラード401とMCH2できくLPも最高に良くて、ついそっちをきいてしまったりの日々だ。いつか将来、アイソバリックを思い切り鳴らすことが出来る状態を手に入れた日のために、アイソバリックも一日に数時間は動かしているし、ああ、僕が四人いればなあ。人生も三回ほどあればと思うが、ベイシーの菅原さんみたいな人は三度目の人生なんだなきっと。

やっと、Mac版Skypeが日本語バージョンになった。

ちょっと前、田中さんのサイトにマミヤの新しい大型デジタルカメラのことが出ていて、かなりきびしいことが書いてあった。オーディオ業界であれは絶対に出来ないだろうなあと思うけど、カメラ業界ならOKか? いや、それにしても、大量に売れるとは思えない大判のデジタルカメラだから、うーん、きびしいなあ。思わず新藤修一さんと電話で「あれ厳しいよね、新藤さんならあそこまでかかないね、きっと」「うん」なんて話してしまった。

ZYXのフォノイコライザー用電源はめでたく採用になったらしく、プロトタイプ作りが始まった。

東京は久しぶりの雪、しかし、よく降るなあ。雪の降る日はアイソバリックでジョアン・ジルベルト。ジョアンのソフトのためだけにアイソバリックを持っていても良いと思うぐらいこの組み合わせは最高で、歌声が心にしみる。雪の降る静かな休日、ジョアン・ジルベルトのTokyoライブをききながら、机のランプを灯し一人でジュンパ・ラヒリの小説を読む。   2006.1.21

昨日はずっと、料理と読書をしながらアイソバリックで音楽を楽しんだわけだが、やはりアイソバリックの音は確実に変化していると思う。以前はこんな風に軽々と低音が出たりはしなかった。だから、真面目なハナシ音を良くするには長時間鳴らすのが一番なんじゃないかとさえ思うのだが、それじゃやった気にならないからマニアは大量のアクセサリーやらケーブルにはまるわけね。それも確かにオーディオの楽しみの一つではあるから、気になることや、出来ることは何でもやってみた方が良い。僕もやってきた。

そういうわけで、もう少し詳しく書くと、この二日間でやったことと言えば、A3ノビのプリント数枚、複写数点、スタジオの片付けと掃除、焼きプリンづくり(完成近し)、レンズ豆のスープを作って、ギターケースの修理というところで、オーディオのことはやらず、あとは二日間アイソバリックで音楽を楽しみながら読書をしただけだった。

本当はJR150で、SACDマルチもやりたいし(アイソバリックはマルチに不向きみたい)、そろそろDeccaのアームをつけてDeccaの蠱惑的な音もききたいのだが、ちょっと面倒になって延び延びでいる。  2006.1.22

サブウーハーをつなげていないのだけれど、アイソバリックの低音というのは独特の重いタイプのもので、D.Cubeだと壁が揺れるのだが、アイソバリックの低音は単体で床が揺れるから、足の裏とかお尻で感じる。だから、いつかパワーアンプを三台あてがって、このモンスターを思い切り鳴らしたらどのようなことになるのかという興味はあって、今はその日のためにずっとスロージョグやらストレッチングやらをやっているようにも思う。でも、実際にやってしまうと、それは意外につまらないことなのかも知れず、「もし、ああなったらどうか、こうしたらどうか」と夢見ているところが楽しい、オーディオってそんな趣味のような気がする。

もっともっといけると思うので、ちょっと謙遜してスロージョグだのストレッチと書いているけど、アイソバリックって、僕の所にきてやっと二ヶ月が過ぎたところで、それにしては良い感じで鳴っていると思う、しかもプリメインアンプだし。

川崎さんが岡崎さん宅を訪問した感想を送ってくれたので、掲載しました。

ZYXのフォノイコライザーが戻ってきたので、今度はマランツ7の上に乗せたりはせず、何十センチか離して置くことにした。ただ、こうすると今度はパワーアンプと近づいて、それはそれで問題があるようで、物理的制限もあってギリギリのパズルみたいになる。本当はあまり欲張らず、最低線の機器を理想的なセッティングで使うのが望ましいのだが、(一種類の音しか楽しめないと)そのことの欲求不満もでてきたりする。このあたりの兼ね合いゲームを楽しめるかどうかは、出ている音があるレベルを超えているかどうかによるのかも知れない。つまり、いくら理想的なセッティングをしたところで、部屋やシステム全体が出来上がっていなければあまり意味はない。料理もそうだ。シンプルだろうが手が込んでいようが、うまきゃ良い。

バリュークリックって、昔は本郷にあったDVDのレンタルをする会社で、僕のこのサイトにバリュークリックのバナーを貼ろうかという話もあった。その話をしていた相手はStudioK'sに何度も来たことがあり、彼女はバリュークリックがライブドアに買収されて、確かホリエモンの秘書室に勤務していたはずなんだが、大変そう。   2006.1.24

オリンパスから、ライブビューが可能な一眼レフデジタルカメラ(もうあえてデジタルをつける必要もないかな)E-330が発表された。不満だったE-300の横に長いボディが6.5mm短縮された、えらいぞオリンパス。僕は2/3のE-10でもA3ノビで充分鑑賞にたえるプリントをつくっていたから、普通に使うなら4/3で充分だと思う。35mm換算28mm〜135mm程度のコンパクトなズームレンズを開発して、4/3版のE-10を出して欲しい。接写なんかクローズアップレンズを付けりゃいいのだ。   2006.1.27


家庭でも会社でも人間が存在する限り、誤解はつきものだが、僕とこのサイトの読者あるいは雑誌でやっていることと読者にも微妙な誤解というものがある。

1 マルチフォーカスチューニングについて
これは、オーディオクリニックではないし、オーディオ指南でもない。登場する人と僕の関係は対等だ。音を良くしてゆく際に、複数の人の考えで行った方がより良いだろう、そしてその過程を報告するという企画だ。だから、迷惑でなければ相手がオーディオ評論家であっても僕は全然かまわない。まあ、僕なんかに意見を求めてくれてそれを参考にしてくれる気があればの話だけど。

自分のことに照らし合わせて読む、火災現場の野次馬のように読む。どう読むかは読者の自由だと思う。読み方を強制するつもりは毛頭ないけれど、とにかくマルチフォーカスチューニングは「基本的に本人がやるもの」だということをわかって欲しいと思う。僕が勝手にやって良いのなら、どんどん進めて僕の音にしてしまうけど、それじゃ無意味だろう(つまり昔のオーディオクリニックって、これだった)。

手元に1985年に発行された別冊FMファンがあり、今読むと大変興味深いのだが、なにしろ、訪問記事が豊富だった。長岡さんのオーディオクリニックが6頁づつ四軒、傅さんの訪問記事が4頁づつ二軒、高島さんがやはり4頁づつ二軒、合計8カ所のお宅が紹介され、カラーで24頁+16頁、合計40頁も使われている。それに比べると今は訪問記事が少ない

傅さんと僕は同い年だから、1985年というと、彼が別冊FMファンで訪問記事を担当していたのは、30代前半だ。僕の父親と同い年の長岡さんが60才ちょっと手前ぐらいだろうか(僕もあと数年でそれに近づく)。いろいろな理由があるのだろうが、とにかく今は訪問記事ができにくくなっているらしい、そして現実のお宅で音を良くするための記事も昔ほど簡単ではなくなっていると思う。

なにしろ20年も前は、何もわかっていなかったし、ハイエンドの機器も自分で使ったことなどなかったから、高価な機器がでてくるだけで「恐れ入りました」という感じだった。高価な機器は絶対に音が良いという図式を疑わず、まあ考えてみれば幸せというか幼稚というか、とにかくほのぼのとしていた。情報源が雑誌とショップしかなかった時代だ。今は違うと思う。

なにしろ、20年も前って、自宅試聴もせずに闇雲に機器を買っていた時代だ。新型や新素材や新しい方式(つまりCDとか)が絶対に良いと何も疑わずに信じていた。本物の音より良いとか、原音再生とか、あれはオーディオに夢を持ってオーディオの可能性を信じていたからこそだった。実際、三年使った定価20万円のプリメインアンプより、定価30万円の新型プリメインアンプの方が音は良かったと思う。1200ccのカローラより、次の型の1300ccサニーの方が良いという感じで、三年とか五年満足していられればとても平和だった。

そして、時は経ち、僕のまわりには歴代の名器や最新の機器を自宅で使った経験を持つ人たちがけっこう沢山いる。音をきかせてもらったり情報交換も出来るから、雑誌やショップからの情報だけではなくなったし、良い音と言っても色々なタイプがあることや、必ずしも高価な機器や新しい機器が絶対ではないことを理解した。インターネットを利用すれば、昔の100倍も一万倍もの情報が手に入る。お宅訪問だって、雑誌がやる必要はないのかも知れない。

有名なサイトにおけるオフ会の報告やオーディオ好きのお宅訪問記事と、例えばオーディオベーシック誌のMyAudioLifeやマルチフォーカスチューニングはどこが違うのだろう? 

2 「StudioK'sで音と戯れる会」について
ずっと長い間オーディオ雑誌を読み続けていて、試聴記事を読む度に「ここに同席できたらなあ」と思っていた。カートリッジの比較試聴や、フォノイコライザーの試聴、ケーブルの試聴、サブウーハーやスーパーツィーター追加の実験、高音質なソフトや未知の分野のソフト、そういうものや体験を共有したり意見を述べあったりする場が欲しいと思っていた。だけど、誰もやってはくれないので、仕方なく自分でやることにした。

やるからには、仕事が入ったからと突然僕の都合で中止したり、気が向いたときだけ開催というわけにもいかないので、定期的な例会を行うことにした。だから、会員になれば平等に例会の知らせが届き、先着順で参加が可能だ。誰かと誰かは呼ばれて、別の誰かには声がかからないなどということはない。例会の参加は有料だから、スタジオにお土産を持ってくる必要もない。一般家庭ではないから、家族や奥さんに気をつかう必要がない代わりに、美人の奥さんと仲良くなるチャンスはない。そして、当然ながら僕はこの四年半、すべての例会に出席しているし、遅刻早退もない。

戯れる会の会員はいつでも募集している。2005年度までの三年間、年会費は3.000円だったが、もし来年度も戯れる会を続けるのなら、来年度は5.000円にさせてもらおうかと思っている。そして、例会の参加費は2.500円だ。これを高いと考えるか安いと考えるかは人によって異なるだろう。得るものがあれば大いに安い、と言うか金では買えないものを提供しようとしている。秋葉原のジョナサンでコーヒーを飲んで、オーディオの話をしても金はかかるし、オーディオの実験が出来るわけではない。オーディオショップに行けば音はきけるだろうが、そうそう何も買わずに遊びに行けるものでもないだろう。

もちろん、オーディオショップはどこだって笑顔で「気軽に遊びに来て下さい」と言う。僕は気軽に遊びに来られるのは困る。どちらが正直でどちらが不誠実という話ではない。ショップにはショップの目的(機器を買ってもらうこと)があり、それに応じた態度や門戸の開き方があり、僕には僕の開き方があるということだ。僕は、日時を決めて有料だけど、その代わりその時間に関しては目一杯オーディオのことでおつき合いすることにした。三年やってきたが多分、有料であることは双方にまだ抵抗があると思う。だから、僕は僕でかなりの無理もしている。それが戯れる会の例会だ。ただ、戯れる会でやっていることは例会だけではない。

戯れる会の会員は関東近県だけではなく、北海道の人や九州の人もいるし外国在住の会員もいる。彼らは例会に参加したくても、なかなか参加できない。でも会員であり続ける人もいるが、僕が彼らに遠隔催眠術をかけているわけではない。一人一人、理由は異なるだろうから、何故東京に日帰り不可能な彼らが会員であり続けてくれるのかはわからない。情報かも知れないし、オーディオ機器の巡回試聴かも知れないし、お金持ちで僕にカンパしてくれているのかも知れない。

では僕にとっての戯れる会、そしてこのサイトとは何なのだろう。

友人のNさんは「一時増えたものの、このところ個人のオーディオサイトは(山本さんのところを除いて)ほとんど全滅状態」だと言う。僕にはそのような状態がよくわからず、「色々増えたものだ」と思っていた。確かにBlogは増えている。自分のやったこと、買った物、感じたことなどを書き、仲間からコメントがつく反応の速さ、手軽さではBlogだろう。僕は数日間かけて書き直しているのだが、そんなことをしている人は少ないと思う。そして、毎日見ることが出来ない人のためやプリントアウトして読む時のために、僕は頑なに上から下へ書いている。Nさんが言うのは「Blogではないオーディオサイトの更新が途絶えている」ということらしい。確かに毎日更新は困難だし、その上書いた文や、データ、型番、つづりなどを自分でチェックして書き直すのは大変だ。皆さんもお気づきのように、このページは一日平均3回、もしかするともっと(計画的なもの、推敲、校正のため)更新している。

手間ひま以外の問題もある。最初の一年二年はともかく、それを越えるとネタがなくなる。雑感要望不満なども、ある程度書いてしまえば気が済む。一人の個人が頻繁に高価な機器を買い替えたりは出来ないし、毎日怒ったり誰かの悪口を書き続けてもいられないのだ。このページは「僕のオーディオ生活」としてスタートしたが、有り難いことに初期の頃から強力な協力者が存在した。それが下の看板を持つ人たち+彼らの友人たちだ。そして、御茶の水という場所、家族をほっぽらかして昼も夜もオーディオに明け暮れた結果、StudioK'sとこのサイトとは初期の段階ですでに個人のサイト=読み物というだけの存在ではなく、雑誌でもなくショップでもないが、情報交換をして人と知り合う中継地点のような役割を担うことになった。

スタジオを設立するための物件を探していた1997年の春から夏、写真も撮りたいプリントもしたいし展示もしたい、料理もやりたい、そしてオーディオのために、1.静かな環境 2.ある程度の広さと音を出せそうなつくり 3.台所の広さ こんなことを考えて毎週交通量の少ない土日祝日は本郷から湯島界隈を自転車で走り回り、やっと今の建物に出会った。家賃は僕の予算を大幅に越えていたが「広い!!ここならオリジナルノーチラスでもOKだ」僕はそう思って頑張ることにした。

オーディオのことはわからないことだらけだったから、最初の頃は夢中で必死だった。そして、99年の四月にLINNのLP12を導入し「僕のオーディオ生活」として発信を始めた(富田さんのページはそれより前からあった)。同じく99年の夏に岡崎さんと柳澤さんのページを加えた後、いろいろな人がスタジオに来るようになった。

いかに素晴らしい文章で説明しても、音はきかなければわからない。だから、最初は沢山の知らない人が来た。何十枚もCDを持ってきて、やって来るなり「これをかけてくれ」と言う人、「何時間も何も言わない人」、誉めてくれる人、そうでない人、こちらも好きだから、一時間のつもりが深夜になることも多くあった。訪問する人にとっては一回限りでも、おむかえする僕は一人だから、誰かが音をききに来る度、充実とむなしさを同時に感じるようになった。ちょうどマルチフォーカスチューニングも始まっていたし、「最終的にオーディオってのは、個人プレーでしかない。だから、それに至る過程は沢山の人の意見やアイデアをあげたりもらったりしたい」ハード、ソフト、セッティング、あれこれオーディオの実験や試聴、情報交換をしたいと思って2002年の4月に行った「水曜日の夜StudioK'sで音楽をきく会」を経て、戯れる会をつくった。

僕は自分の音を他人に披露して参加費をもらうということをやろうてしていたわけではない。参加費のほとんどはスタジオのレンタル料だと今でも思っている。ちょうどその時に、著作権のことを心配して直接メールをくれた人がいたので、JASRACに問い合わせたところ、「前例がない」とのことで即答はもらえず、何日か後に「電気店に対する課金」というような扱いで、年額6300円の著作権使用料をおさめてくれという返事がきた。それ以来僕は、毎年これを払っている。誰かが戯れる会でかけたCDを気に入れば別の誰かが買うケースは多く、「なんで、販売促進をした上に著作権料まで払わなければならないのか?」という疑問もなくはないのだが、そんなことで闘うのは面倒なので、JASRACには年貢をおさめ、その代わりAmazon.comから紹介料をもらうことにした。

僕は写真学校も行かずに写真撮影の仕事をやり始めたし、10ヶ月間勤務したスタジオのボスのことも先生とは思っていなくて、「あそこでは、プロ用機材の扱い方と、彼のライティングと、ギャラの請求の仕方を覚え、写真でやっていけるという自信をつけさせてもらっただけだ」と、まことに不遜ながら今でも考えている。でも、それと同時に「あれから20年、なんだかんだで彼のやり方を踏襲している」とも思っている。自分がこうだからよくわかるんだけど、とにかく男って習うのがキライというか、習うのが下手だ。

戯れる会に入ったからと言って、「戯れる会派」のレッテルを貼られるとか、僕と師弟関係になるなんてことはありえないし、去勢もされない。僕は最初に書いたように、色々な試聴や実験に立ち会って素直な意見をきかせてくれる人を求めているだけだ。良い音を多数決で決める必要などどこにもないが、一対一だと意見が対立した際に収集がつかなくなるし、色々な人の感じ方をその場で出し合うためには最低でも10人近くの人がいた方がよいと思う。

雑誌ではそうそう意見が対立ばかりしている内容を掲載もできないだろうし、そして僕たちはそこには立ち会えない。ショップに行って、何も買わずに、同じ条件で毎月毎月試聴や実験を行うことは出来ない。戯れる会に会費を払って参加して、そこで起きた事柄や参加した人の知識など、習える何かがあれば習えば良い。恥ずかしくも何ともないことだ。そうでもしなくちゃ、このわけがわからないオーディオってやつとは付き合っていられない。第一、自分のこと自分の好みすらよくわからないのだ。オフ会を繰り返して、同じことが得られればそれも良いけど、少し効率が悪いかも知れない。宴会の前に、まず高密度な音楽とオーディオ的時間が必要だ。

この四年間、戯れる会の会員数は40数人だった。これがもし倍ちょっとに増えて、100人にせまる数になればいろいろな展開が可能になるだろう。興味のある機器の貸し出し、試聴、そういうことが交渉しやすくなる。僕のプライベートな音で金を取るみたいに誤解する人もいるから、理想を言えば、僕がつくった音響空間があって、時にはあるいは毎回異なるシステムで色々な音を出せたらと思う。視聴室をもたない代理店やメーカーの試聴スペースとして貸したりもできればなお良い。都心にそんなスペースが欲しい。オーディオ好きで大金持ちの老人が「どうせあの世に金は持っていけないから、君にあげるよ」と言って、一億円ほどくれればそれも可能かも知れない。大げさに言わせてもらうと、戯れる会は文化事業なのだ。

まあそれはともかく、僕は戯れる会が存在することによってこのサイトを続けられているのだと思う。もし、戯れる会が無くなったら、やることが大幅に減るし、直接会って話が出来てオーディオの色々なことを理解し合える人を必要としている。去年おこなった、モアさん所有のオリジナル盤をきかせてもらうことや、音楽評論家の渡辺亨氏にソフトの情報を教えてもらったり、リンの古川さんに現代音楽の楽しみ方を教わったり、そういうことは僕個人だけでも体験は可能だと思う。だけど、それでは意味がない。僕はそれらを少しでも多くの心あるオーディオと音楽を愛する人たちと共有したいと考えている。

でも、人に集まってもらったり、金額の多少に関わらずお金をいただいたり払ったりということをやれば、面倒なことも多くあって、元々がギリギリのところでやっていると続かなくなってしまい、このままの人数だったら、戯れる会も解散かなと思うことがある。戯れる会例会って、一月に一回開いている小さな飲み屋みたいなものだから、その日の参加者が平均10人程度いればそれでOKなのだが、みんなにも色々都合があるから、必ず人数を確保出来るという保証はないので、これは時にストレスの元になる。こんなに沢山の人がいる首都圏において、音楽とオーディオを愛好している人はきっと存在するはずだ。

だから、戯れる会は会員を募集しています。もし、どんな風かをのぞいてみたいのなら、二月の例会は11日で、あと4人か5人ぐらいは席が余っているので、是非ご参加下さい。

ベルデンのスピーカーケーブルとMITでは、どれぐらいの違いがあるのだろう。一度みんなで確認してみたいものだ。  2006.2.7

JR150はやはり、時々とんでもない鳴り方をしてくれて、どうしてこんなに小型のスピーカーからこのようなスケールの大きな音が出るのだろうと驚かされる。今の状態がとても快適なので、1月の半ばから、JR150のセッティングはまったく同じままだ。

土曜日の夜から風邪で、毎朝熱が38度以上になり、どうしようもない時はタクシーで家とスタジオを往復していた。熱で頭はガーンとしていて、音楽をきくと苦痛なのだが、僕は毎日マランツ7とSDサウンドのスイッチを入れて、JR150でCDを5枚ぐらいはかけ続けていた。こんな時はMacのSoundSticksで音量をやや控え目にしてきいていた方がずっと心地よいし、ソフトをかけかえる手間も不要だ。もし2/11に戯れる会例会がなければ、マランツ7のスイッチは入れても音は出さなかったかも知れない。戯れる会、そしてオーディオが仕事になってしまっているというのはこういうことで、動物園の飼育係みたいな気持になる。   2006.2.9

10年ぐらい前のステレオサウンド誌で、読者(だったと思う)も参加して、故井上卓也氏がソナス・ファベールのミニマを使ってセッティングの実験をする企画があった。それを読んだとき僕は「ミニマみたいな小さなスピーカーで、音の違いがわかるのだろうか」と思った。つまり、もっと高価で大型の機器の方が適当なのではないかと思ったわけだ。このことは、思い出す度に恥ずかしい気持になる。

JR150は小さいので、かなりのオーディオマニアでも、JR150が出している音を、アイソバリックの音だと勘違いする。

昨日の戯れる会では、CELLOのスィートを使ってSACDマルチをきいた。スィートはセレクターが存在しないプリアンプで、入ってきた音は全部ミックスして送り出してしまうため、SACDマルチのセンターチャンネルをミックするには好都合だ。この状態できいた渡辺香津美には参加した皆さん全員驚いてくれたようだった。ギターってのはこういう音だよねって感じのほんとにまったくたまげる音なんですよ。それが、JR150からでも出る。

 

マーク・レヴィンソン氏はマランツ7を目指してプリアンプを作ったということをきいたことがある。そして作られた最高峰のプリがCELLOのスィートだと思うのだが、昨日の戯れる会に参加した人は、この二つの音を同一条件で体験した。電源エバンジェリストの伊藤氏は、「スィートの音にプリアンプの理想をみた。だからスィートには電源強化の必要なし、と言うより、この音に近づけるために私は電源強化という方法をとっているのだ」と語った。

僕は伊藤氏とは違う価値観をもっているので、また別の感想を抱いている。   2006.2.13

オーディオベーシック誌の原稿書き、あと一日って感じかなあ。今回の取材で驚いたことは「新しい機器も進歩している」ということだった。先週の風邪はインフルエンザとしては最短で治癒していると思うが、そのダメージはかなり大きく、多分原稿書きから解放されれば一緒に風邪のダメージも消えるだろうと思いつつ、推敲に推敲を重ねている。

ああ、ライブビューがついていて、そこそこの画質で撮れるデジカメが欲しいなあ。 

これはSpendorのBC2

大きさはRogersのStudio1aと同じだが、JR150に比べると大きく感じてしまうので、これもスタンドを使わずに床に置きたくなる

Studio1aよりちょっと渋目の正統的ブリティッシュサウンドというやつだろうか、よくきくと渋くてやさしい音かな。まだ鳴らし始めなのでよくわからないが、一ヶ月ほど使えばきっとこなれてくることだろう

ただ、まあ僕は英国派で、RogersにSpendor、KEF、多少の違いはあれど、これらの音はお米のご飯みたいな感じである。今、新たにどんなスピーカーを鳴らしてみたいかときかれたら「AVALONのAVATER」と答えるだろう

 

JR150の低さに慣れてしまったので、BC2の高さがじゃまくさい。それで、スタンドを横にしておいてみた

6cmほど低くなるので視界はだいぶスッキリする

 

 2006.2.16

Pixinguinhaという人が作曲した「Carinhoso カリニョーゾ」という曲があって、僕はパウリーニョ・ダ・ヴィオラのCDの中でマリーザ・モンチが歌っているのをきいて好きになった。この曲を何とか自分でギターを弾いて歌うことが出来ないかなと思った。DVDの中でパウリーニョ・ダ・ヴィオラがけっこうマジな顔で伴奏しているので、悪い予感はしていたのだが、コード譜を探して見てみると、いやはや、やはり戦意喪失するぐらい難しいのだった。

 

しょうがないから、とりあえずカエターノのDesde Que O Samba E Sambaの伴奏を弾けるようになろうともくろんでいる。これは「トロピカリア2」の一番最後の曲、ジョアンも「声とギター」の中で一番最初に歌っている曲で、実にカッコいいコード進行ですが、曲に合わせてコードをスムーズに押さえるだけで、半年ほどかかりそうな感じ。歌はポルトガル語でよくわからないし、コードにはみんな7(9)とか7(♭13)がついていて頭と指が混乱するという三重苦なので、かたかなポルトガル語でカエターノを歌うという野望はなかなか遠く、どうしても口笛かハミングになってしまう。

まあね、ダメ元でいいからあれこれ試してみないことには、経験値も上がりません。とは言うものの、さすがにこのセッティングはイマイチでした

Rogers Studio1aとSpendor BC2は似ているけれど、やはり性格が異なるのだった。左の写真に写っている二台は割と似た性格かも知れない

どういう性格かと言うと、左の二台はレーサーレプリカっぽい面をもっているけど、Spendor BC2はもう少し穏やかな低め安定路線で、鳴らす人のテクニックや機器のクオリティをそれほど求めない感じがした

例えばBC2をソニーのAVアンプで鳴らすとけっこう良い感じなのだが、同じアンプで左の二台を同じアンプで鳴らすと、甘いというかねむい傾向の音になる、まあそれはそれでいいんだけど、例えば左の二台はCELLOのスィート+SDサウンドアイワンで鳴らすと目が覚めるような世界が出現するのだが、同じアンプでBC2を鳴らすと、アンプがアンプだけに凄さも垣間見ることができるのだけれど、なんとなく無理している感じになってしまうので、OHVとDOHCぐらい違うと思うわけですね

BC2は音楽きくにはとても良い乗用車的スピーカーなのです

先日僕が遅ればせながら読んでいたジュンパ・ラヒリですが、「停電の夜に」と「三度目で最後の大陸」、つまりこの本の最初と最後の小説をとても良いと思った。どのぐらい良いと思ったかというと、僕が村上春樹の小説の中で最も好きなのは「世界終わりとハードボイルドワンダーランド」で、最も衝撃的だったのが「パン屋再襲撃」なんだけど、「パン屋」に近いかな。Amazon.comのマーケットプレイスでは49円で売っていた。よんじゅうきゅうえんだぜ、CDだって昔から考えたらメチャクチャ安いよなあ。

 

このところShukus氏が絶賛?かどうかは定かではないが、試聴報告をしている半分ソニー(なのかな?)のDAC内蔵デジタルプリメインアンプはどんな音なんだろう。今のところショップでは売っていないみたいだし、そうなると、これをきいてみたい人は、1 製作者に連絡を取って試聴するか、2 Shuks氏と仲良しになって招待してもらうか 3 戯れる会に入っておいて、そのうち戯れる会例会できけるチャンスを待つ、そして、このアンプに限らずメーカーや代理店との折り合いがつけば、戯れる会会員自宅の巡回試聴も実現するかも知れない。このいずれかの方法で試聴することができると思う。 2006.2.20

亡くなった茨木のり子という詩人の存在を知ったのは、小室等のファーストアルバム「私は月には行かないだろう」の中に入っていた、「12月のうた」という曲の詩を書いた人としてだった。小室等という人はほとんど自分では詞を書かないから、大体は現代詩に曲をつけていたので、僕は小室等の歌を通じて、吉増剛造や大岡信、高橋陸郎、黒田三郎、などに出会った。高田渡は山之口貘だろう。1960年代後半から70年前半のフォークソングというのは、やはり音楽というよりまずは言葉だった。

山下洋輔が書いた本の中に、当時の野外コンサート 中津川とかつま恋だろうか? に山下洋輔が出演した時の感想というか驚き、「彼らはギターで本当にドミソドのCをジャラーンって弾くんだ、俺達(つまりジャズミュージシャン)はそんなコード(まっとうすぎると言うか単純な)恥ずかしくて弾けないだろ」みたいなことが書いてあって、もちろん馬鹿にしているわけではないのだが、笑ってしまった。で、長いこと僕の中にアコギを弾いて歌を歌うのはカッコ悪いみたいなイメージが定着していて、ああいうのはもうやだなあと思っていた。

ところが10年ちょっと前あたりから、公園や駅とかの街頭で若者がギターを弾いて歌をうたっているのを目にするようになって、あれはすごく不思議な気分になった。その頃出てきた人、例えば「山崎まさよし」なんかは、好き嫌いは別にしてパッときいた瞬間に「難しいことやっているなあ」と思ってしまうのだけれど、そういうんでもなくて、もっと稚拙で、でも本人たちはカッコいいと思っているというか必死な感じもあって、女の子のファンも3人ぐらいいたりして、とにかくあれを見たときはとても複雑な気持になった。

カラオケみたいな個室は増えているけど、肩を組んで歩いている子供がいなくなったのと同じように、みんなで歌をうたうってことをしなくなっている。

ブラジル音楽とかボサノヴァの弾き語りはテンションコードのオンパレードだから、アメリカのフォークソングとはかなり趣が異なり、JAZZギターともまた違う。ブラジルのギターはJAZZギターよりも自由というかデタラメというか、和音を弾く伴奏に関しては、ほとんどの場合一弦を無視、五弦六弦もどちらかは弾かないという大胆な発想で成り立っている。そういうわけで、先日書いた通り、僕が頭から終わりまで通してギター伴奏ができるブラジル音楽の記念すべき一曲目は、カエターノの「Desde Que O Samba E Samba」になりそうで、左手人差し指とか小指はヘンな場所にタコができはじめている。 2006.2.21

オーディオに関しては少しだけ憂鬱な生活が続いている。CELLOのプリアンプは確かに音はすごいのでもっと詰めていけばさらなる世界がひらけることは予想できるのだが、とてつもなくすごい音の機器っていうのは、同時にダメな部分もあることが多いので、そのすごいところを無くさずに不満な点をつぶしてゆくのがチューニングで、多分あんなことやこんなことをやればCELLOのスィートなら相当なところまでいけそうな感触はある、でも、自分の物ではないから、ずっと自分で使えるわけでもなし、そろそろマランツ7に戻そうかな。少なくともLPをきくにはマランツ7のフォノ部とZYXの外付けフォノイコライザーを使っていた方がうまくいく。   2006.2.22

EOS 30Dが20Dとそれほど大きくは変わらない内容で発表になった。ということは20Dの役目は30Dにバトンタッチして、新しい20Dがもう少し上位のスペックで出るのだろうか? つまり5Dと30Dの中間を埋める機種が存在するかどうかだけど、それはなくてもいいかな。今現在の僕としては、昔の中判カメラ的な位置づけとして2000万画素で50万円以下の新しいボディの1Dsが出てくれたらなと思う。とにかく、あのクルクルパッの操作とユーザーインターフェイス0点の誤操作誘発表示とでかい電池は勘弁してほしい。EF-Sレンズというのはけっこう性能が良くて(10mm-22mmのズームと60mmマクロ)、だから、APS-Cの一眼レフは当分なくなることはないんじゃないかな。

KissDNって、20Dのより小型な電池だけど、ちゃんと撮れているのかなと疑ってしまうほど電池が長持ちする。そして5Dは10Dや20Dと同じ型の電池で、20Dもけっこう長持ちするのだから、最高級一眼レフもそろそろ小型の電池になって欲しい。

そして、夏に出るキヤノンの顔料10色インクA3ノビプリンタはやはり、予想通りグレーのインクが増えていた。A2のプリンタは顔料12色インクなのか、うーむ。

今日は久しぶりにベートーヴェンの交響曲第七番をききたい気分。 2006.2.23

Decca Reference

このカートリッジの音をきいたことがある人はとても少ないと思う

少し後下がりになるように取り付けてあるのだが、この角度でかなり敏感に音が変化し、この状態が一番良かった

良い音のポイントをつかめるようになると、アナログはそういうところが実に楽しい

 

昨日は久しぶりによそで刺激を与えてもらえるサウンドを体験して、ちょっとやる気になっていたのだが、今日は、朝からスタジオの前で水道工事をやっている。ものすごい騒音なので、とてもじゃないが音楽なんかきいていられない。

来年度もある程度の人数が戯れる会に集まってくれて、会をやり続けることが出来るのなら、PCトランスポートのことやDAC内蔵のデジタルアンプはどの程度可能性があるのかなんてことも徐々にやっていきたいと思う。USBの入力を持ったDACっていうのは今のところCECのDA53しか知らないのだが、他にもあるのだろうか。そんなことを考えているので、PCトランスポートに興味のある人は戯れる会に入ってもらっても損はしないと思う。コンパクトフラッシュなどの個体メモリからデジタルデータを取り出す方法、つまりiPodシャッホーに音楽データをロスレスで保存して、そこから直接デジタルデータを取り出すにはどうすりゃいいんだろう。

このところ衛星放送とかDVDとか、とにかくプロジェクターをまったく見ていなくて、でも今夜は女子フィギアスケート金メダルの演技を大画面で満喫しようかな。  2006.2.24

CHARTWELL LS3/5A

これも、きいたことがある人はとても少ないと思う

とても希少で高価なものだが、一般のLS3/5Aと比較してみると、その価値は充分ある

でもそれは、直接比較をしてはじめて感じることで、ロジャースやハーベスやスペンドールやKEFが悪いわけじゃない。ただ、それらをものすごく良い状態で鳴らしてるところできいてから、まったく同じ条件でCHARTWELLに交換してみると、「なるほどねー」ってことになる

やっぱり、LS3/5Aとか、BC2とか、Rogersの中ぐらいののスピーカーで音楽をきくのが一番楽しめると思うな。アンプやセッティングに対して敏感だからオーディオの楽しみもある。現代的なアンプもいいし、LEAKやFerrographなど、古い英国製アンプで鳴らしてもいい

海外在住の戯れる会会員H氏からUSB接続可能なDACの情報をいたいだいた。www.scott-nixon.com/dac.htm

うーん、ミノルタは露出計からも撤退か。僕が最初にミノルタのフラッシュメーターIII型を買ったのはもう25年以上前で、そしてデジタルカメラが主になってからは、一年に一回ぐらいしか露出計を使わなくなった。時代の流れを感じるなあ。

数日いろいろ考えて、Rogersのプリメインアンプはこの場所に持ってきた。Rogersの上はCECのDAC53で、その上に置いてあるのはHDDレコーダーだから音には関係なし

 

iTunes - SONY DA7000ES
          VS
iTunes - CEC DA53 + Rogers A100

 

        

パソコンのHDDからのデータをDACに入れて再生した音が、CDをCDプレーヤーで再生した音より良いかどうかはちゃんと比較していないので今後の課題だが、「HDDからの再生音も充分オーディオ的世界」だということは認めます。

パナソニックがライツのレンズ搭載一眼レフを発表ね。ということはオリンパスのボディでも使えるわけだから、一昔前のライツミノルタCLとかCLEみたいな関係とも言えなくはないけど、やっぱりちょっと違うかな。それよりはフルサイズでライカマウントの距離計連動デジタルカメラなんて物が出てくれば、かなり面白いことになる。このタイプは多分どっかが密かに開発していると思う。   2006.2.27

上の組み合わせ、つまりPowerBookからの音源をBC2でずっときいている。最初のうちはよくわからなかったのだが、とてもやさしい音がする。これはBC2の特性なのか、それとも他の機器の特性なのかがまだよくわからない。両方のような気もするのだが、もしこれがBC2の音だとしたら、それはそれは夢心地的なタイプの音で、特にクラシックが好きなら適当なアンプでこれをきいていれば一生不満など持たないだろうというものだ。僕はSONYのAVアンプよりはRogersの方がクッキリハッキリしていて好みなのだが、しかし、パソコンとDACとプリメインアンプだけでこんな世界が得られるのなら、何も無理をすることはないよなと思う。

今年の一月半ば過ぎから、僕は30年以上のブランクの後、ギターを弾き始めているのだが、さて、僕のレベルではどの程度のギターを使うのが適当なのだろうかと考えている。今あるのはガットギターが1969年頃買ったSUZUKIバイオリン製で、当時13.000円の物、そして1971年に5万円で買ったフォークギター(73年に糸巻をグローバーに交換済み)と、最近手に入れた同じメーカーの上級モデル(多分当時7万円ぐらい)だ。それと、FERNANDESのぞうさん ZO-3 DIZI-ZO HYPERが近々届く予定だ。エレキはぞうさんでいいやと思っている。ぞうさんのベースもあるから、大の大人がぞうさんでバンドを組んだら楽しそうだ。

もちろん上手ではない。リードギターなんて全然ダメだし、まあスリーフィンガーピッキングは一応出来る。うーん、このあたりはShuks氏と近いなあ。コードは一応大体押さえられる。つまりFやB♭が押さえられないなんてことはなくて、例えばA5とかC5とかいうコードぐらいはわかる。Bm7♭5は大変好きなコードだ。コードストローク、つまり指で一本づつ弾くのではなく、ジャラーンジャラーンとかき鳴らすことにはあまり価値を見いだしていなかったのだが、これは最近になって間違っていたことに気づき、今は「コードストロークは単純なだけに弾き手のセンスがハッキリと出るもの」と考えが変わった。

友人で戸田さんという自転車乗りがいる。僕や友人の自転車愛好家たちは、「もしツール・ド・フランスがノンサポート、単独、不眠不休OK、他の交通もある中で、ヨーイドンでスタートしてとにかく一番先にゴールした人が勝ち」という、太平洋横断ヨットレースみたいなルールだったら、戸田さんが優勝するだろうと思っている。彼は1997年の夏、単独でアメリカ大陸5436kmを19日+3時間43分で横断している、知る人ぞ知る人だ。戸田さんの走りでわかりやすい例をあげてみると、96年5月3日〜4日に東京〜青森間 779kmを34時間04分という記録がある。東京から青森まで普通の道を伴走車はつけず一人で走っての記録だ。休みも信号も入れて平均時速約23kmってのは驚異以外のなにものでもない。(戸田さんのことをもう少し詳しく知りたい人はホームに戻って、怪物図鑑というページをご覧下さい) 何がすごいって、彼はオリンパスの社員で、普段はちゃんとした社会人をやっていることかな。

戸田さんはアマンダスポーツのカーボンフレームを愛用していて、数台所有しているのだが、
「新しいカーボンフレームはどうですか?」と聞くと、
「かくかくしかじかで良い」
「なるほど、なるほど(僕も欲しいなあ)」
「ただ、それは一回の走行距離が500kmを越えたあたりから感じる話ですけどね」
「ガーン、、、、500kmを一気に走るなんてとても出来ない、三日に分けてもあぶないところだ」

今はギターに限らず、教則DVDってのが山のようにあって、懇切丁寧に説明がなされ、楽譜(ギターの場合はTAB譜)もついていて、どこを押さえるのかも良くわかるのだけれど、弾き方がわかるのとちゃんと弾けるというのは別の問題だ。それでもまあ、しつこくやっていれば、いつかは思ったように弾けるようになるのかも知れない。30年前とは大いに違う状況だ。

だから、ギター教室に行かなくてもある程度やり方はわかるし、楽しむことも出来るのだが、自分でできることはやったとして、いつか将来「尊敬できそうなギターの先生」に出会ったら習いに行こうと思って調べてみると、一人存在した。入会金5.000円1レッスン60分6.000円だそうで、これで自信がついたり、注意すべき点を指摘されたり、自分で考えてもわからないことを教えてもらえるのなら安いものだろう。しかるべき時期に門を叩く先を見つけてあるのは安心だ。

友人が持っていたマーチンやギブソンをつまびいたことがあるし(30年前のことです)、ある時代以降の、つまり最近のマーチンがそれほど良いとは思えないから、アコースティックギターは今持ってるジャパン・ヴィンテージで何も不満がない。でも、ガットギターの方は、もう少し良いやつが欲しい。で、仮にギターを習いに行くとして、僕は下手っぴいだから何十万円もするギターを持って習いに行くのはちょっと恥ずかしいと思う。オーディオにはこの「恥ずかしい」っていう感覚がないかあるいは大変うすくて、「こんなん持ってます」「おお、すごいですね」になる。

さて、僕のガットギターはちょっと音が不満で、もう少したったらちょっとは上級のものにしたいのだが、適当に古くてあまり高価ではなくて僕が持っていても恥ずかしくない、というちょうど良い物に出会えたらなと思っている。まあ弾くものがないわけじゃなし、せいぜい練習にはげもう。

AppleがMacminiとiPod Hifiを発表ね。miniは予想通りだったけど、Hifiの方はどうなんだろう。そこそこの音がでるのかな?

午前中はキヤノンの新型A2ノビプリンタの内覧会に行ってきた。12色インクのやつです。インクはたっぷり入っているけど、一本7800円だそうで、一気になくなったりしたら(まあそういうことはないのだが)7800円×12で、このプリンタは定価が確か27万かそこらのものなんだけど、1/3はインク代か?なんて思うと不思議な感じがした。なんでだかわからないけど、僕の場合でかいプリンタってのは欲しいものです。 2006.3.1

ここ数日ずっと、PowerBook-CECのDAC-Rogersのプリメインアンプ-Spendor BC2 この状態でiTunesからエンドレスで音楽を流し続けている。だから、CDもLPも全然さわっていない。BC2の音は基本的にやさしいタイプの音だが、毎日10時間も信号を送ってやると、日に日に鳴りが深くなってくる。これは良い感じだ。あと一週間ほど鳴らした後、マランツ7とSDサウンドにつなぎかえてみようかと思っている。いまはひたすらあれこれきいている状態かな。昨日と今日ではずいぶん音が違うので、やはりスピーカーは生きていると思う。

やってきたDIJI ZO HYPER

オーディオも楽しいけど、このおもちゃは最高に遊べる。ケーブル一本ぐらいの金額だから、そりゃ沢山売れますわ。何と30万本売れたそうです

まるでわからないぐらい使い方が難しいのですが、普通のぞうさんより絶対にエフェクト付きのこちら「DIJI ZO HYPER」が楽しいと思いますね

そういうわけで、後ろのBC2はずっと、Macをジュークボックスのように使って鳴らしている。iTunes以外のソフトでCDのデータを取り込んでの再生も可能で、音質はそちらのほうが良さそうなのだが、iTunesはとにかく使い勝手が良いので、とりあえずiTunesを使っている

写真の通り、SDサウンドのOTLアンプからきているスピーカーケーブルは外れている

どう考えてもこれからのDACやCDプレーヤーにはUSBのデジタル入力をつけた方が売れると思う。電源エバンジェリスト氏によると、ノートパソコンのACアダプタは音がよろしくないそうで、ここをしっかりしたものにすると音質は向上するらしい。確かにZYXのフォノイコライザーでは強化電源でしっかりした音になったから、その通りかも知れないのだが、まあ、自分で作ることも出来ないので、エバンジェリスト氏が作ってくれれば試してみたい。法に触れる電源を作って売ったりしてはいけないので、あくまでも個人の責任においてやるしかない。   2006.3.2

田中希美男さんが書いているように、EOS 20Dと30Dの画質がまったく同じというのは何かあると思う。オーディオ機器とは違って、デジタルカメラはほとんどの場合新しい物の方が良くなっているから、20Dの使い勝手を良くして値段を下げたのが30Dなのだろう。両方とも良いカメラです。適当なコンパクトカメラが出てこないので、僕はシグマの17mm-70mmマクロを使おうかなと考え始めている。

昨日の昼間は一日出かけていたので、留守の間ずっとiTunes+Rogersのアンプでクラシック、ロック、ポップス、ブラジル音楽、NHKのポルトガル語講座、などを含んだものを、昼間なのでまあまあの音量にしてかけっぱなしにしておいた。パソコンオーディオはこういう時にとても便利である。そして、BC2はどんどん音が変化してきているので、次回の戯れる会例会はBC2でまずきいて、比較としてRogersのStudio1aかな、そして要望があればJR150でいってみようかなと思っている。

やっぱりオーディオって、自分がどこで満足するかを知ることが一番で、あとは機器を信じて鳴らし込むしかないようだ。あれこれ機器を取っ替えひっかえしてきいてみてもそれは第一印象、ご挨拶程度でしかない。

ダイナミックオーディオ5555にいる佐藤君に「ギターの弦は何が好き」ってきいたら、「ダダリオのプロアルテです」と言うので、試しに買ってつけてみると、これはすごく太い弦で。僕は「クレルのパワーアンプみたいな音だ」と思った。


ごはんも音も同じで、立ってなくちゃおいしくありません


ヤーコン ふきのとう(福島産) わさび菜 菜の花 ブロッコリーの花 竹麦魚と貝柱

一昨日の夜は料理会(にしだやさんのサイトにも書いてあるけど、この試みは作る方も食べる方も会費を払ってやっている)で、この鯛飯や写真の野菜?刺身ほかを食べた後みんなで映画「オペラ座の怪人」をみた。その際の音声はPowerMac G5のデジタル出力(TOS)をソニーのAVアンプに入れ、サラウンドスピーカー四つはソニーで鳴らし、ソニーのプリアウトをボリューム最大にしたRogersのプリメインアンプに入れて、全体の音量はソニーでコントロールする。映画なので、スピーカーは久しぶりにアイソバリックを使うと、驚くほどのものすごい重低音だった。

そんなわけで、今日はBC2ではなくアイソバリックできいている。そして、そろそろマランツ7を復帰させ、マランツ7+ SDサウンドアイワンでBC2を鳴らしてみようと思っている。

CELLOスィートの音は本当にすごくて、身長176cmのスーパーモデルのような感じだと思う。だから誰が見たってカッコいいのは確かだ。同じCELLOでもスィートとそれ以外のプリはかなり音が違うようだ。とにかくスィートはその成り立ちからして贅沢というか別世界で、戯れる会例会できいた人が驚くのも納得できる。このちょっと特別仕様のスィートはもちろん僕の物ではなくて、新たに可愛がってくれる人をさがしているのだが、音をきくと「借金してでも自分のものにしてしまおうか」という気持がムラムラとわき上がってきたりする。

スィートみたいな「ほんまもんのハイエンド機器」は、先ほども書いた通り「身長176cmのスーパーモデル」だ。現状のまま接続しても、ソフトによっては「この音を手に入れられるのなら、少しぐらい悪いことでも何でもやってしまおうか」というぐらいの興奮がある。それは魔性と言っても良い。もし僕のところにくれば、僕は相手がスーパーモデルだろうが何だろうがちゃんとおつき合いして、多分ちょっと苦労をさせられるけれど、一年ぐらいあれば、それなりに仲良くなることはできるだろうと思う。

ただ、それはあくまで「それなりに仲良くなる」状態だ。スーパーモデルと仲良しの僕はユニクロとかGAPを着ている僕で、クルマも持ってなくてレンタカーだし、本人同士は良くても周囲が許してくれないみたいな感じになったりもする。僕もそれぐらいはわかるから「なんかやだなあ」ってことでちょっと落ち着きが悪い。本当ならパワーアンプは同じCELLOのパフォーマンスとかVioraのブラボーあたりが順当だと思う。それで、仕方なくまた借金をしてパワーアンプを買うと今度は「こんな、何百万もの機器でJR150だのStudio1aを鳴らすのはちょっと馬鹿かも」ということになるのだろう。で、ふさわしいスピーカーにすると、部屋も不満だという結論になりそう。無理して無理を目指すと、グレート・ギャッツビーみたいなことになる。僕はギャッツビー氏の気持が痛いほどよくわかるし、多少はああいうところ、野心もなければいけないと思いますが、自分のオーディオとしてはちょっと路線が違うかなという気がしている。

と、まあ整理して書けばこのようなことになるのだが、それでもCELLOの世界には後ろ髪引かれる思いがあり、それはまるで「ロード・オブ・ザ・リング」の指輪のようで、欲しくて欲しくてたまらなくなるような感じさえする。だから、さしあたって引き取り手が見つからないのを良いことにウダウダとそのままにしてあったのだが、そういう思いを断ち切って今日は再びマランツ7にした。  2006.3.6

マランツ7に戻すと、「ああ、やれやれ自分の家だ」と思う。そしてBC2はCELLOで鳴らすよりマランツの方が無理なく鳴るみたい。

今の僕はShuks氏のオーディオと同じぐらいギターと付き合っているので、このままだとまたまたギターを買いそう。だから、シグマの17mm-70mmズームでも買って、KissDNを持ち歩き、意識を写真に向けようかなと思っている。仕事ならボディ2台とレンズ5本にPowerBookだって持参するが、趣味でスナップを撮るには、やはり35mm換算28mm-100mm〜110mmぐらいの常用ズームレンズがないと、一眼レフを持ち歩く気になれない。軽いからいいかなと思って18mm-55mmを買ってみたけど、このレンズは何の役にも立たなかった。シグマの17mm-70mmはマクロレンズでものすごく寄れるからそれも魅力で、試してみてもいいかなと思う。シグマのレンズは、一度だけ12mm-24mmを買っのだが、これはまるでダメで、試し撮りだけして売ってしまった。そんな経験があるから、もちろん17-70にそれほど多くは期待してないけど、ちょっと不安かな。キヤノンの17-85 ISだって特別良いとは思えないから、と言うか一眼レフ用の広角レンズは全部不満なのだ。シグマの17-70マクロがそこそこ使えるレンズだといいんだけどな。 2006.3.7

シグマ17mm-70mmズームは安くて良いレンズだと思う。KissDNにはこのレンズがつけっぱなしになりそうだ。とりあえずコンパクトデジカメのことは忘れて、スナップにはこのセットを持ち歩くことにしよう。これでシグマのレンズは一勝一敗だ。ただし、KissDNは小型なので、首から下げるとレンズの方が重くて安定が悪く、ミノルタCLにライカのレンズを付けたみたいになる。

17-70で試しに撮ってみるとこんな感じ、まあまあですかね

という具合で、レンズはちょっと撮ってみれば、使えそうな物かどうかの判断がつくのであるが、どうも僕はガットギターの世界をつかめていないようで、もちろん良いと感じる音や好みの音はあるのだが、どのギターがどんな音なのかがまるでわからない。アコースティックギターは大体わかっていて、今持っている物でOKだ。多分、弾きやすく好みの音の物が良いってことになるのだが、困ったことに、どこのメーカー、あるいは誰が制作したものが僕の好みなのかが、まるでわからない。演奏レベルからすると、今つかっている鈴木バイオリンのでも十分なのは確かだけど、ちょっとは見栄もはりたいし、ボサノヴァ独特のコードを押さえるにはもう少し苦労が少なく良い音のでるギターもあると思うので、どうしたものかなと考えている。

明日はオーディオベーシック誌第38号が発売される。僕はこの号でも新しいことをいくつか試みているので、買って読んでください。 2006.3.8

昨日と今日はPowerBook-CEC DAC53-Rogersプリメインアンプ-LINNアイソバリックできいている。ソフトによってはものすごく良いし、ソフトをかけかえる手間がいらないので基本的に鳴らしっぱなし。Rogersのプリメインアンプはアイソバリックのことも大変よく鳴らしてくれて、驚いてしまう。こういう良いアンプを売ってはダメなんてことになるわけだから、(どっちみちザル法で、色々な抜け道やらなにやらがあるんだろうけど)とにかく闇で売買なんてことになれば、健全な市場ではなくなるから、一時的な投げ売り状態が終われば、将来、古くて良い物の値段は今まで以上に上がることだろう。

どうも僕はガットギターの世界をつかめていないというのは、オーディオだったらGOLDMUNDの音とか、JBLの音とか、Rogersの音とか大体わかっているつもりなのだが、例えば、YAMAHAのギターはアキュフェーズのアンプみたいな音なのかどうか、個人の作家のギターはガレージメーカーの真空管アンプみたいなのかどうか、そういうことがよくわからないということかな。僕はコレクターではないから、何台も何台もは持たないし、超高級な物が欲しいってこともないのだが、あまり暗い音色はイヤで、適当に明るくて、少し深みのある音のガットギターに出あえるといいなと思っている。  2006.3.9

どうも最近は以前よりサウンドステージを重視しなくなっているような気がするのだが、高さだけは欲しいみたいで、あまり低いところからきこえてくるのはダメみたいだ。アイソバリックは元々独特の音場(どちらかというと真ん中に寄って、音量を上げるとそのまま前へ出てくるタイプ)なのだが、iTunesとRogersのプリメインアンプでも高さはちゃんと出る。

yahooオークションを見ていたら、CELLOのスィートが出品されている。なるほど、なるほど、当然こういう値段だよなあ。いま僕のところにあるCELLO AudioSuiteにはCDモジュールが二つに加えて、MICモジュール(市販されていないが、入力ボリューム付きCDモジュールとして使用可能)とPhonoモジュール付きだ。そしてアウトプットモジュールとCDにはViolaのモジュール三個ずつ入っているという超々希少なものだ。CELLOがシールをもらえるのかどうか知らないが、こういうすごい物がもしかすると店では売るのが違法になって、でも、欲しい人は存在するってことになると、どうなるのだろうか。    2006.3.10

雨の日は読書。たいへん遅ればせながら「ダ・ヴィンチ・コード」を読み始めた。僕が貸してもらったのは、ヴィジュアル愛蔵版ってやつで、写真が沢山入っていてとてもわかりすい。アイソバリックでショスタコーヴィチのプレリュードとフーガをききながら読む。最高だ。Rogersのプリメインアンプで鳴らすようになってから、僕は以前よりアイソバリックのことを好きになってきている。そして、時に、これ以上は要らないのかもなとも思う。JR150やStudio1aだともう少し主張するから、ベートーヴェンをききながらだと読書が出来ないのと似た感じになるけど、アイソバリックは力持ちの割にでしゃばらない。

今、Rogersのアンプからはウエスタンエレクトリックの赤くて細いスピーカーケーブルで接続しているのだが、これを別の物にしたらどうなるのかな。アイソバリックにはさほど影響がないようにも思うけど、RogersのアンプでJR150を鳴らすのならやってみると良いかも。  2006.3.12

今日は、年に一度の誕生日  

誕生日プレゼントでもらったわけじゃないのだけれど、こういうことになってしまった

音や弾いた感じがけっこう違うので、あれこれ手に入れて使ってみないとわからないのは、オーディオと同じ

似たような色の物ばかりだから、違う色のも欲しい

2006.3.13

オーディオもあれこれやってみているし、新しい機器を試したりしているのだが、まだよくわからないために書けない段階なので、適当な段階でお知らせします。

先週だったか先々週だったか、新聞で大変興味深い報道を見た。よくわかります。

◇他自治体からの視察1時間半で5千円也 横浜市が有料化
横浜市は、他の自治体からの視察や調査への回答を4月から有料化すると8日発表した。
視察が集中し対応に忙殺されるケースが出ているためで、独自のノウハウがある25項目が
対象。市によると有料化は欧米では例があるが「国内では聞いたことがない」という。
有料化するのは、ごみを10年で3割減らす目標の「G30」計画▽市施設への企業広告掲示
▽職員意識の改革や庁内分権――など全国に先駆けた取り組みで、他の自治体の 関心が高い25項目。
料金は視察者が1人の場合、1時間半5000円。1人増えるごとに1000円を追加する。
調査への回答は1件50項目以内なら3000円で、10項目増えるごとに1000円追加する。
対象の25項目について、昨年4月からこれまで約600件の視察や調査があった。
横浜市が進める先進事例が注目を集めるのはうれしいが、受け入れるとなると 準備や対応に手間もかかる。
   2006.3.14

<PSEマーク>「ビンテージもの」規制対象から除外に [ 03月14日 11時46分 ]

 国の安全基準に適合することを示す「PSE」マークがない一部家電製品の販売が4月から禁止される問題をめぐり、二階俊博経済産業相は14日の閣議後会見で、希少価値の高い中古電子楽器などを規制対象から事実上外すなどの負担軽減措置をとることを明らかにした。リサイクル業者や音楽愛好家などから強い反発が出ていることに配慮した。ただ、経過措置の延長については重ねて否定した。
 事実上の適用除外になるのは、ギターアンプなどの音響機器や、電子楽器、写真用機材、映写機などのうち「ビンテージもの」と呼ばれる希少価値の高い中古機材。これらを取り扱いに慣れたマニアに販売する場合には、PSEマークがなくても簡単な手続きで売買できるようにする。

おいおい、どこからが希少価値の高いビンテージなんじゃ? ビンテージ機器選定委員会が選定して、ビンテージマークを作るのだろうか? そして、取り扱いに慣れたマニアが書類にハンコでも押せばOKなのかな?

新しくきたギターの弦高がちょっと高めだったので、サドル(手前の細い方)を削って1mm弱下げたら、おそろしく音が変わってしまった

試しに、隙間に細いものをはさんで元の高さにもどすと、音も戻る。ちょっと弾きにくい方が音は良いところが何とも悩ましい

削りすぎたサドルの高さの調節用に挟んだ物の材質が、音質に影響すると考えるのはオーディオマニアの性ってやつでしょうか

 

このところの写真は全部シグマの17-70ズーム もっと寄れます

パソコン通信のNiftyがあと半月でサービスを終了するとか。僕が最初に買ったモデムはシャープのノートワープロにつける2400bpsの物で定価が4万円だった。Macにした時に買ったモデムは14400bpsでこれは1万5千円ぐらいになっていて「なんて安いんだろう」と思った。夜な夜なパソコン通信のチャットをやって電話代が毎月数万円という友人がいた。もう忘れてしまったけど、Niftyに入るコマンドとか、モデムの設定とか、結局アナログ回線に戻したISDN、TAやルーター、懐かしいけれど、10年ちょっと前はそんなだった。

今のStudioK's近辺で、どんなに大きい音を出してもOKというスペースが確保できたら、オーディオに関してはまだまだやってみたいことがある。

オーディオや写真は絵画や楽器演奏に比べると、敷居が低い(だから好き、と言うか僕なんかでもやれる)。写真はシャッターを押せばとりあえず写るし、オーディオも機器を買えば音は出る。偶然うまく鳴るってこともあるので、写真やオーディオは機器(と被写体=ソフトかな)にたよりがちだ。それで、「機器だけじゃないぞ」という話になるのだが、機器を取り替えることによってのみ乗り越えられる壁も沢山あるし、機器によって得られる世界はもちろんある。

僕は色々なタイプの音楽が好きで、色々なタイプに合った音でききたいと思っているのだが、二つも三つも装置を持つことは難しいので、英国系スピーカーとそれをよく鳴らす機器を選んだ。それはある程度成功をみたようで、このところ少しやる気が落ちているらしい。

明日3/18は戯れる会の例会で、広木さんをゲストにお招きしてバロック音楽のソフトをきかせてもらうことになっている。ついでにLPも少し持ってきていただいて、欲しい人がいれば譲ってもらう予定だ。このところずっとアイソバリックでばかりきいていたので、今日は朝からJR150できいているのだが、やっぱり嬉しくなるぐらい音は良い。ソフト関係のゲストをおむかえすると、オーディオの実験がやれないので、明日の広木さんコーナーはJR150とスペンドールBC2とRogers Studio1aを取り替えながら進めようかと考えている。同じ英国系スピーカーでもこの三台を同時にきき比べたことがある人はほとんどいないと思う。さらにアイソバリックもとくれば、ゼロだろう。戯れる会はそういうことをやってゆければと思う。  2006.3.17

戯れる会では会員の皆さんにオーディオ機器やケーブルなどを巡回試聴している。自分の装置で、しかも自宅で落ち着いて、きき慣れたソフトを使って判断するのが良いし、いくら他の人が良いと言っても、自分で音をきいて気に入らなければ知らん顔だし、良ければ買ってもいい。

CELLOスィートの持ち主 「いっそのことスィートも巡回試聴してみんなにきかせてあげればいいじゃないか」
山本 「ちょっと待ってくださいよ、でかくて送るのも大変だし、なにしろ高価ですからね。僕の物じゃないし」
持ち主 「じゃあ、有料にするか?」
山本 「有料って言ったって、いくらにしたらいいんだか見当がつきません、まあ、使ってない方のマランツ7なら、
    貸し出してもいいんですが、手渡しならまだしも、10カ所も15カ所も宅急便で巡回するのはちょっとね」  2006.3.18

昨日の戯れる会例会では、広木さんをおむかえしてバロック音楽を沢山きかせていだたいた。スピーカーは久しぶりに鳴らすスペンドールBC2で、広木さんのソフトにも助けられて、BC2からは自分でもきいたことのないような素晴らしい音楽が奏でられた。それで、途中からStudio1aに替えるのはやめて、ずっとBC2できいた。(例会前半はJR150とアイソバリックだった)

クラシックの良い演奏をきく度に思うのは、ロックのノリとクラシックは共通しているということだ。

例会終了後は広木さんにLPを譲っていただいたりもして、なかなか充実した一日だったけれど、二次会もあって、僕はかなり疲れ気味かな。 2006.3.19

バロック講座の最後10数分ほどはスタジオ内を暗くして、「めぐり逢う朝」のDVDを見た。ベルサイユ宮殿での演奏シーンの古楽器群を見る度に僕は、絶滅した恐竜を想像してしまうのだった。

半年ほど前から、戯れる会例会は二次会というのをやっている。例会終了後どこかへ食事や飲みにゆくには御茶の水駅の方まで出ていかなければならず、10人もの人がいっぺんに入れる店を探すのに苦労する場合もあるし、二次会だけ参加したい人がいても、地下の店なんかだと連絡がとれないし、なにより僕のスタジオなら他にはお客がいないから、常に貸し切り状態だ。

ゲストをおむかえしたときなど、沢山の貴重で高価な(中には一枚何十万円もするものもある)LPをかける。参加者にやってもらってもいいけど、慣れない人だと手が震えるかも知れないし、初めてのソフトだから音量を決めることだけでも神経をつかう。誰かにやってもらって、ハラハラするぐらいなら自分でやった方が良いと思うので、ソフトをかけるのは僕がやっている。まあこれは仕方がないだろう。まあでも、誰かがやりたいと言ってくれるのならお願いしても良いのかも知れない。

とにかく、10人以上の人が集まって、午後一時から十時過ぎまで、音楽をきいたり食べたり飲んだりするのはえらいことで、いっそのこと店にでもしてしまえばスッキリもするのだろうが、そういうわけにもいかず、どういう風にすればみんなにも喜んでもらえて、僕の負担もさほど増えずに済むのかと検討中だ。   2006.3.20 

もうダメかと思っていた日本チームの奇跡的勝利には勇気づけられるものがある
スクリーンの下にあるのはローランドの管球式ギターアンプ。ぞうさんをつなぐと、断然好ましい音になった 2006.3.21

エレキギターを買ったのはぞうさんが初めてだから、ギターアンプは使ったことがないので、使い方もわかっていない。全体的にどのような物があるのかも知らないし、マーシャルやフェンダーがどんな音なのか知らないし、エレキギターの音の違いも全然わかっていない。まあこれからおいおいわかってくることだろう。わからないとか出来ないってのは楽しいことだと思う。僕が買ったローランドのBOLT 60という6L6GCと12AX7を使ったギターアンプの音はマアマア良いんじゃないか(他を知らないのだから、かわいいハナシだけど)と思っている。1980年代前半に製造された物のはずだからハイブリッドだろうけど、このアンプはビンテージ物なんでしょうかね? それはともかく、時節柄真空管ギターアンプってのも良いのではないかと思ったのだった。   2006.3.22

大阪の御田さんが作ってくれたSACDマルチ用センターチャンネルとLRチャンネルの合成装置は、ずっと借りっぱなしだったので、そろそろお返ししたいと伝えたところ、戯れる会の会員で誰か試聴したい人がいれば回してあげて下さいということになり、しばらくの間swingin'godzilla氏のところで使われることになった。僕は何か市販のミキサーでも試してみようかと思っていたのだが、swingin' godzilla氏は「CELLOのスィートを合成装置に使うんですか?」と言う。僕はスィートをLR+Cチャネルの合成のみにつかうなどという豪勢なことは考えてもいなかったのだが、置いといても邪魔なだけだしたまには通電した方が良いとも思うので試しにやってみようかなと思っている。 2006.3.23

世の中には色々複雑だから、わかりにくいことが沢山ある。怖そうな感じの人が実はとても優しかったり、優しそうな雰囲気なのにものすごく冷徹な人もいる。「お手伝いしましょうか」なんて、親切そうなことを言っても実は自分の思う方向に進めたいだけとか、利害がからめば人生いろいろだ。

僕はオーディオが大好きだけど、物がやたらに高価なのはイヤだなと思う。カメラにしてもクルマにしても高級な物にはそれなりの良さがあることは充分認めるし、安かろう悪かろうは大嫌いだ。だから、僕はずっと、あまり高価ではなくて性能の良い機器を、古い新しいに関係なく紹介したり、使いようのアイデアや実践を書いてきている。一昔前なら長岡さんがやっていたようなことだと思うけど、今はスピーカー自作の時代ではないし(自作の方が高くつく)、実はもっともっと高級な物を安く楽しめるのだと思う。でも、それにはまず、自分の好みを知ったり、雑誌やショップやWebで語られていることを理解しなければならないのだが、そのチャンスは意外に少ない。

「StudioK'sで音と戯れる会」は有料だから、お金がかかると思っている人がいたら、それはとても一面的な考えだと思う。   2006.3.24

物が物だけに(値段が値段だけにと書くべきか)、なかな引き受け人が見つからないので、昨日からCELLOのスィートをSACDマルチLR+Cチャンネルのミキサーとして使ってみた。ボリュームは+3ってところにして、プリアウトをマランツ7に突っ込むとこれがなかなか良い。適度に熟成した音だと思う。そして、Studio1aもJR150みたいに床に直置きすると良い結果が出るのかと思ってやってみたが、これはイマイチだったので、アルミのブロックで10cmほどあげてみると、これはマアマアだった。

久しぶりにSACDマルチをきいたのだが、やっぱりこれをきいてしまうと2chのサウンドステージってのは平面的と言うのか、二次元の中での立体感=レリーフみたいな感じがする

 

iTunesで音楽をきいていて思うこと 1.当たり前だけどCDをかけ替える必要がない 2.適当にきいていると突然存在を忘れていたソフトが再生されるので刺激になる 3.グラフィックイコライザーで音をいじることができる。こんなところかな。LPとSACD、SACDマルチ以外はPowerBookからの再生で特に不満は感じない。DVDの再生もMacでOK。 2006.3.25

村上春樹はノーベル賞を受賞するだろうか? 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を三回ほど繰り返して読んだ頃、「もしかすると村上春樹はノーベル賞をとるのかも知れない」と思ったのだが、それが実現するのかもね。もしそんなことになったらもちろんすごい事だけど、でも、今の僕は村上春樹を以前ほど好きではないから、さほど興味はない(それはノルウェーの森あたりから始まっている)。バッハの無伴奏チェロ組曲をききながら「世界の終わり」を読んだのは、もう20年も前のことだろうか。今の僕の中でもっとも心に残る小説は何かというと、一気に村上春樹をぶち抜いた三島由紀夫の「春の雪」と「奔馬」なんだけど、どっちが良いかなんてのは決められない。だって、それはR・シュトラウスの「ばらの騎士」とビートルズを比べているようなものなのだ。

今まで、何人かの人が僕に「村上春樹の小説に出てくるような人だ」という意味のことを言った。どの小説の誰かは知らないが、理由はきっと僕がよく料理をやっているからだろうと思っている。

このところ、PowerBookで音楽をきくことが多くなっているのだが。CDプレーヤーで再生するのと、PowerBookでの再生はどちらが良い音なのかはわかない。比べてないからわからない。なんで比べていないのかと言うと、僕が怠惰だからなのではなくて、PerpetualTechnologiesのDACにはTOSリンクの入力がないからだ、もちろんUSBの入力もないので、つながらないのだ。これをつなげるには、USBやTOSリンクを受けて同軸あるいはバランスで出力する装置を手に入れなければならない。そういうわけで、このあたりの実験は今後の課題で、まあそういうこともやってみたいことだし、来年も会員になってくれる人がいて、月に一度の例会に10人ぐらいの人がコンスタントに集まってくれるのなら、来年も戯れる会をやっていこうかなと思っている。そろそろ4月で、5月からは新年度となるので、戯れる会に入会したい方はメールで申し込んでください。 2006.3.27

Macにはフロントロウという機能があって、リモコンが使えるようになった。もしMacをCDトランスポートにするのなら、一番安いiBookが良いと思うけど、リモコンはまだiMacとMacBookProとMac miniにしかついていない。もうしばらくしたら13インチのインテルiBookが出て、そこで対応するのだろう。今のところ、可能性は感じるけれど、パソコンのHDDをトランスポートにすることがどれほど良いのか定かではない。HDDに取り込むのとCDを挿入してCDを再生するのでは、音が違うようだし、再生する際のアプリケーションによっても音は変化するようだ。だから当然MacとWindowsでは音も違う結果が出るわけで、面倒と言うか楽しめると言うか、一人でやっているとわけがわからなくなりそうだ。 

持っているギターはたとえ一日15分でもいいから、全種類弾いてみているのだが、音質や押さえた感じはけっこう違いがある。エレキギターはぞうさんしかないので比較が出来ないけど、ガットギター(鈴木バイオリンとヤマハ)もけっこう違うし、フォークギターは同じメーカーの安かったのと高かったのだが、同じ弦を張ってもけっこう音が違う(弾きやすいのは高い方だけど、音は安い方が好みだったりするのが何とも複雑であるが)。ピピエコさんがマーチンを持っているって言ってたから、そのうち戯れる会例会の時に持ってきてもらって、音がどう違うか比べてみたい。ギターアンプも買ったので大音量でなければエレキもOKです。

他の参加者の皆さんから賛同が得られればの案ですが、今度から、ピピエコさんが戯れる会例会に参加してくれるときは、1時から6時までの5時間のうちの1時間程度を彼に提供して、「体系的にロックを聴く」というのを何回かやったら良いのではないかと勝手に考えている。   2006.3.30

PSEビンテージ関連

オーディオのことで、ずっといくつかのことを試してはいるのだが、ここには書けないことばかりわかってきた。実際にきいてもらえば、すぐにわかることなのだが、書くとまずいことだらけなので僕としては大変辛い。

しかし、明日から四月で桜も満開だというのに、何なんだよこの寒さは。

おー、ピピエコさんはOKみたいだから、戯れる会例会の参加者がOKなら、彼が参加の時はロック講座をやってもらえそう。音楽はいろいろきいてきていますが、バロックが何かもわかってないし、ロックンロールとハードロックとプログレとグラムロックとパンクとブリティッシュロックと、ニューウエィブ、オルタナティブとかヘビメタなどなどのこともわかってないから、そういうことがやれたら嬉しい。カントリーとブルーグラスは違うとか、落語と人情噺が違うってことは知ってるんですけどね。   2006.3.31

四月になったので、彼女はやってこないけど、パート12に移行しなければならないのだが、まだやれていない。色々悩みが多い日々ではあるが、オーディオには何も不満がない。不満がないのっておもしろくない? おもしろくない。

一昨日の寒さがウソのように今日は暖かい。暖かくて明るいと色々前向きな発想も浮かんできて、こんな僕でももう一花咲かせたいものだという気分になる。   2006.4.3

鳴らすのが難しいと言われているアイソバリックだが、このところすごく良い感じで、どうも僕はアイソバリックをきいてしまうと、オーディオのことがどうでもよくなってしまうようだ。このあたりは、「オーディオではなく音楽を楽しむための機器を提供する」というLINNの思想と合致している。アイソバリックはとても手の込んだ高級なつくりだから、一般的な高級スピーカーと同じように鳴らそうとする人が多いと思うが、こちらの常識で扱ってもうまくいくとは思えない。そのあたりを見抜けるかどうかがポイントになる。

ハイエンド的緻密な音場を求める派がやってきて「そういうものが出ていない」と言ったとしても、「だからなんだ」と言い返せる強烈な個性がアイソバリックにはある。PowerBook+CECのDA53+ロジャースのプリメインアンプで鳴らしても、太く濃い中域の凝縮した音が前に出てくるし、重低音で床が揺れる。もちろん高域もちゃんと出ているから、中域のみのナローレンジってわけではない。

で、しかもロジャースのプリメインアンプはいつも僕が座っている場所の右側に置いてある。電話並みに手の届くところにボリュームノブがあり、その横にPowerBookがあってCDをかけ替えずとも音楽がきける。こいつはまいった。でも、このところ僕がアイソバリックばかりきいているのは単に便利だからってわけじゃなくて、もう少し深い理由がある。

僕は良い音楽をきくと、酒に酔ったような気分になる。別世界に飛んでゆくと言ってもよい。音楽に酔いたくて、好きな時に自分の場所で音楽をきくためにオーディオ装置を手に入れたわけだ。ところが、自分をより心地よい状態にしてくれるようなオーディオ機器と状態を求めてゆくうちに、自分の出している音が自分の演奏みたいなものになってしまった。

かつて僕はAB誌MyAudioLifeの取材で、ダイナサウンドハウスの殺し屋店長自身のオーディオを「時間のかかる雨だれ彫刻のようだ」と書いた。だが、オーディオが彫刻のような行為であることは僕にも共通している。StudioK'sとKEF105という材に対して色々な機器を用いてカタチを作っていたのだと思う。そしてそのピークは、去年の7月16日、モアさんにJAZZのオリジナル盤をきかせていただいた時と、9月の戯れる会例会だったと思う。自分自身、この場所とこの機材であそこまでいけるとは思っていなかったから、秋にKEFのウレタンエッジ破れを発見した段階でKEF105をやめることにした。多分昨年の6月ぐらいでエッジはすでに破れかけていたのだろう。

そしてアイソバリックがきて、ロジャースのStudio1aがきて、JR150がきたし、BC2もだ。どれも英国製で、見た目は似ているが、音はけっこう違っていた。Studio1aとJRはややレーサー的な性格、それに比べるとBC2は乗用車的で、アイソバリックは高級乗用車的だ。Studio1aが現代的なロータスのスポーツカーなら、JRはロータス7、BC2はバンデンプラ・プリンセス、アイソバリックはちょっと古いジャガーのセダン。こんな感じだ。KEF105はStudio1aとBC2を足して1.5をかけたような感じだったろうか。Studio1aでもBC2もややもの足りない感じがあるので、音場と音圧のバランスを考えると、KEF105はこの場所にはちょうど良い線だった。音をきいて一番驚くのはJR150だろう。なにしろ誰もこの小さな円筒形が鳴っていると思わないのだ。そして密閉型特有の重量感のある低音だし、サウンドステージなんて書くのが恥ずかしくなるぐらいの大画面的な音の広がりで、オーディオ的には一番楽しめる。

どれもみな、最高に良い音で鳴ってくれてとても気に入っているから不満はない。先ほど書いたようにスピーカーごとに性格は違うのだが、違う観点からものすごく贅沢を言うとどれも同じ音がする。僕が約8年半ほどかけて完成させた彫刻は、自分の顔だったらしい。  2006.4.6

自分らしさが鼻につくという事態は幸福の先にある不幸である。僕は別世界で遊ぶことを求めて音楽をきいてたはずだったが、大変満足のいく音を得たら、色々なことが見えてしまい、そこは楽しい別世界ではなくなってしまったらしい。その中でアイソバリックの音は英国調ではあるが、鳴り方が独特なのでこれは僕の顔を感じない。しかも、ロジャースのプリメインアンプとPowerBookだもんで、「こんなお気楽な装置でこれだけ鳴れば充分だろ」って感じの無責任さがある。そういうわけで、一人になると僕はアイソバリックをきく日々が続いている。もちろん「これはまずいな」と、一方でそう思ってもいる。

このままだと、音楽やオーディオに対する興味までも薄れていきそうな気さえして、ちょっと困ってしまった。さて、どうしよう。その話はパート12でいたしましょう。

   

「サイテーなことは全部忘れて、今日は楽しく 人生はサイコーだよ」

松田美緒はいいですよ。新曲もいいんだけど、まだ新曲のCDは発売になっていない。


架空セカンドオーディオ

僕のオーディオ装置 スケベ根性ありありの中庸 パート1  1997年〜2000年まで

僕のオーディオ あんまり膨大なのでパート2 2001年

さらに膨大 パート3 2002年

僕のオーディオ生活 パート4 2003年

僕のオーディオ生活 パート5  2003年

僕のオーディオ生活パート6  2004年1月〜6月

オーディオと映像を中心にした日々の記録 パート7  2004年7月〜12月

オーディオと映像の記録パート8  2005年1月〜4月

オーディオと映像の記録パート9  2005年5月〜9月

オーディオと映像の記録パート10   2005年10月〜12月


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